シムコの種豚シムコSPF種豚

シムコの種豚づくりには、
5つの強みがあります。

1.規模が大きい

700頭を越える原原種豚を保有し、大量かつ均質な種豚の供給が可能

2.高い数値目標

「生存産子数」「泌乳量」などを数値目標にして育種改良

3.優れた技術

長年培った職人技とともに、育種情報データベース&BIシステムを駆使

4.高水準のSPF環境

厳しい防疫体制のもと、愛豚精神あふれるスタッフによる農場運営

5.高い経済性の実現

選び抜かれた種豚や人工授精の技術開発により、経済性向上に貢献

優秀な遺伝子を持つ豚が、シムコの原原種豚です。

種豚づくりにおいて、もっとも重要なこと。それは何代にもわたって優秀な遺伝子が受け継がれ、しかも進化し続けることです。シムコの農場には、雌雄あわせて700頭を越える原原種豚(Great Grand Parents=GGP)がいます。肉豚の親にあたる種豚(Parent Stock=PS)、その親にあたる原種豚(Grand Parents=GP)、そのまた親にあたるのが原原種豚(GGP)で、肉豚から数えて3代さかのぼった祖先ということになります。
シムコの原原種豚は、1972年以来のSPF種豚生産の中で勝ち残ってきた、優秀な遺伝子を継承する豚たちです。連産性(出産回数の多さ)や繁殖性(産子数の多さ)が高く、強健性(足腰の強さ)に優れていることが大きな特徴です。

シムコの原原種豚

現在、シムコではランドレース(雌系)、大ヨークシャー(雌系)、デュロック(雄系)、バークシャーの4品種をベースに国産の原原種豚や原種豚を育種。全農場で約4,800頭の種雌豚(母豚)および約340頭の種雄豚(父豚)が稼働しています。

  • ランドレース(雌系)
  • 大ヨークシャー(雌系)
  • デュロック(雄系)
  • バークシャー

データに基づく育種改良で、成果を上げています。

種豚の育種改良においては、どんなデータを数値目標として取り上げるかによって、その後の結果が大きく変わってきます。
雌系のランドレース種および大ヨークシャー種の場合は、子どもを産む能力(産子能力)と育てる能力(哺育能力・泌乳能力)を伸ばすことが目標になります。産子能力を表すデータには「総産子数(死産を含む)」や「生存産子数(死産を含まない)」などがあり、シムコでは、無事に大きく生まれることにより生産者の利益に直結する「正常生存産子数」を目標にして育種改良をおこなっています。また、哺育能力や泌乳能力については、離乳時に体重が大きく活力のある子豚の目安である「3週齢時一腹総体重」を数値目標として掲げています。
雄系のデュロック種の場合は、発育能力と産肉能力の向上の目安となる「日増体重」「背脂肪厚」「ロース面積」のほか、肉質評価に関連する「筋肉内脂肪(IMF)」「柔らかさ」等のデータも集積し、育種改良に活用しています。

データ精度を向上させる「環境」づくり

農場が疾病に汚染されていると、データの精度は著しく低下します。疾病の存在によって産子数が減ったり、発育が遅れたりすることは、個体の遺伝的能力の推定を困難にするのです。シムコは、自社農場で高水準のSPF環境づくりによって疾病の悪影響を大幅に軽減し、高精度のデータに裏づけられた育種改良をおこなっています。

育種BIシステムの中で「農場」を再現

シムコでは、所有するすべての豚の個体情報と成績情報、在庫出荷履歴情報を蓄積した独自の育種情報データベース「ピグマイン」を構築。最新の育種理論(BLUP法など)にもとづき分析・評価がおこなえるBIシステム※を活用しています。豚1頭ごとの詳細なライフヒストリーや生育条件等の環境的なファクターなどもデータベース化することにより、システムの中に「農場」を再現。育種計画のシミュレーションなどを自在におこなうことができます。
※BIシステム=Business Intelligent System

遺伝的能力のみならず「体型」も重視

種豚が「産子能力」や「泌乳能力」といった遺伝的能力を若いうちだけでなく高産次になっても十分に発揮するためには、そもそも種豚自体に四肢の強健性などが備わっている必要があります。シムコでは、そうした個体の能力を十分に活かせる「体型」も重視して、種豚の選抜・改良を実施。そのために、育成豚に対する定期的な体型調査をおこない、重要な基礎情報として活用しています。

育種スペシャリストの「眼力」を活かす

かつて国内には、小規模ながらも優れた原種豚を生産する種豚家がたくさん存在していました。彼らは飼養する豚の特徴をすべて把握し、どのような組み合わせから優秀な種豚が生まれるか見きわめる優れた「眼力」をもって、生産・繁殖をおこなっていました。それは地道で息の長い仕事によって培われた職人技でした。
データを重視するシムコの種豚づくりにおいても、その基本は変わりません。数字だけが一人歩きした育種改良ではなく、豊富な育種実績に裏打ちされたスペシャリストの「眼力」と最新の育種理論によって作出された原種豚は、足腰が強く、連産性や強健性、哺育能力に長けたものになり、種豚生産において大いに力を発揮するのです。